ムナクリ通信

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関節の痛みを伴う腸の炎症2019.07.09

「潰瘍性大腸炎」という病気があります。腸内細菌の異常が原因で発生すると考えられています。

通常は消化器科で診療を受けますが、当院で診ている患者さんにも発生することがわかってきました。

 現在通院中の患者さんで、リウマチ・膠原病・慢性疼痛として治療していた患者さん8名が、経過観察中に「潰瘍性大腸炎」が新たに判明しています。

 患者さんのプロファイルです。

 平均年齢:50.8歳

*潰瘍性大腸炎の発症は20~50歳と考えられていますので、当院の患者さんは遅発型と考えられます。

 男女比:男性3名・女性5名

  *潰瘍性大腸炎の発症に性差はないと言われています。

 当院で治療中の病名:関節リウマチ3名・脊椎関節炎2名・強皮症1名・ベーチェット病1名・線維筋痛症1名

 

すべての患者さんがレントゲン検査で「仙腸関節炎」が確認されており、Grade(数字が多いほど重度)の内訳は次の通りです。

Grade1:3名

Grade2:3名

Grade3:2名

Grade4:0名:当院でGrade4を呈する患者さんの多くは、「強直性脊椎炎」の患者さんです。

 

「潰瘍性大腸炎」の患者さんの中には、関節症状や痛みが先行して、後から下血などの消化器症状があらわれてくる方もいらっしゃるようです。

 

さらに興味深いことに、5名(53%)の患者さんにアレルギー性疾患(花粉症などのI型アレルギーやアトピー性皮膚炎)が合併していました。

 アレルギー性疾患の原因の一つとして、腸内細菌異常が推測されています。

「関節などの痛み」「潰瘍性大腸炎」「アレルギー」を結びつける共通要素として「腸内細菌異常」があるのかもしれません。

「関節などの痛み」が先行する患者さんが「潰瘍性大腸炎」を発症する原因は、一般的な「潰瘍性大腸炎」の患者さんの原因と異なるのかもしれません。

そして、原因の一部にはアレルギーが関与するのかもしれません。

更に追及する必要のある重要なテーマと考えています。

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