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ダイエット太りすぎのダイエット(食事)について~その2~2015.09.01
炭水化物の必要性
皆さんご存知の通り、人体にとって必要な栄養素は五つに大別され(五大栄養素:たんぱく質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミン)、炭水化物も重要な栄養素です。炭水化物をまったく摂取しなかったとしたらどうなるのでしょうか?体を動かすために必要な「レギュラーガソリン」は脂質ですが、脳は通常「ブドウ糖」という炭水化物をエネルギー源としています。したがって、炭水化物を一切摂らなかったとして、もっとも困る人間の臓器は「脳」なのです。
では、「脳」はどれだけのブドウ糖があれば大丈夫なのでしょうか?それは、一日当たり130gと言われています。炭水化物としては100g程度になります。お茶碗一杯分でおおよそ60gの炭水化物が含まれます。また、低糖質の野菜ジュース一杯にも25g、牛乳一杯には10g、野菜サラダのドレッシング一食分にも最低2gは炭水化物が含まれています。細かいものを合わせれば、炭水化物の摂取を控えたとしても一日100g程度の炭水化物は摂取しているのではないかと思います。
一方、ブドウ糖の過剰摂取には一種の中毒性があり、ブドウ糖の過剰摂取はより多くの糖摂取を欲するようになることが知られています。このことは炭酸飲料やスポーツドリンクの過剰摂取が問題になることがあります。
一般人は、一日に必要なエネルギー量の約60%を炭水化物からの摂取に依存しています。この60%という平均は良いことなのでしょうか?「赤信号、みんなで渡れば・・・」の論理は成立しません。食の世界規模での不均衡が飢餓地域を生み出し、先進国の過食傾向を強めていることは事実です。私たちは全体的に過食傾向にあることを認識しなければなりません。「太りすぎ」は過食傾向にある食生活の現実を直視することからスタートします。まずは、過食依存度の高い炭水化物の過剰摂取を是正することが初めの一歩です。炭水化物を制限して肥満を改善する食事療法(糖質制限)や脂質を制限して肥満を改善する食事療法(脂質制限)など、様々な意見があり、それぞれに賛否両論あります。しかし、具体的な食事療法を開始する前に、必要以上に摂取して太ってしまった現状の分析とその是正に向けてのモチベーションが最も大切なのです。この現状認識から、次のステップに入ってゆきましょう。
(次回に続きます)
Yasuhiko MUNAKATA M.D., Ph.D.
医療法人総志会理事長
宗像靖彦クリニック院長
昭和63年 東北大学医学部卒業
平成02年 東北大学医学部大学院に進学(リウマチ膠原病の研究を行う)
平成08年~ 米国ハーバードメディカルスクール・ダナファーバー癌研究所に留学
平成10年~ 東北大学病院 血液免疫科にて臨床・研究・教育に従事
平成17年~ 医療法人美瑛 理事長就任
平成25年 宗像靖彦クリニック開設
平成26年 医療法人総志会 理事長就任