宗像靖彦クリニックでは、健康生活に必要なあらゆる情報発信をしております。
もっと詳しくお聞きしたい事や、他に知りたい内容などございましたら、スタッフにお伝えください。
病気いろいろCONUT(controlling nutritional status)栄養指数について2019.02.12
Controlling Nutritional Status(CONUT)指数という栄養状態を評価する指数があります。
これは、スペインの研究者が発表した栄養状態の評価方法です。食道癌手術後のリスク評価などで定評があり、現在では術後リスク評価以外にも幅広く応用されているようです。
様々な医療機関においては入院患者さんの栄養状態を把握する指数としても用いられています。
CONUT指数は、患者さんの血液検査値(アルブミン値、総コレステロール値、リンパ球数)を指数化して算出されます。これらの数値はそれぞれ、蛋白代謝、脂質代謝、免疫能を反映していますので、患者さんのトータルな健康状態を反映すると考えることもできます。当院で診察している炎症性疾患(関節リウマチや膠原病、感染症など)の患者さんでも、病態の重篤化に従って、CONUT指数は悪化します。アルブミン値の低下は、治療薬の効果・副作用にも関与します。リンパ球数は病気の勢いや感染症の合併などに関与しているようです。当院では往診で患者さんを診察する際に、CONUT指数を参考にしています。以前、CONUT指数は悪いものの、一見安定していた患者さんが、急に病態変化を起こしたことがありました。一般診察では把握しきれない体の変調をつかむための参考となる可能性があります。一方、病態が不安定で体調の悪い患者さんでも、CONUT指数が改善するとともに、病態が安定化してきたというケースもありました。CONUT指数が変動しやすい、高齢者や炎症性疾患を持っている患者さんには、CONUT指数に良い結果をもたらす治療方針(薬剤の選択や栄養管理指導など)を立ててゆくように心がけています。
Yasuhiko MUNAKATA M.D., Ph.D.
医療法人総志会理事長
宗像靖彦クリニック院長
昭和63年 東北大学医学部卒業
平成02年 東北大学医学部大学院に進学(リウマチ膠原病の研究を行う)
平成08年~ 米国ハーバードメディカルスクール・ダナファーバー癌研究所に留学
平成10年~ 東北大学病院 血液免疫科にて臨床・研究・教育に従事
平成17年~ 医療法人美瑛 理事長就任
平成25年 宗像靖彦クリニック開設
平成26年 医療法人総志会 理事長就任