ムナクリ通信

リウマチのムナクリ通信一覧

宗像靖彦クリニックでは、健康生活に必要なあらゆる情報発信をしております。
もっと詳しくお聞きしたい事や、他に知りたい内容などございましたら、スタッフにお伝えください。

リウマチ当院初診関節リウマチ患者さんの年齢分布2017.04.01

当院では、関節リウマチ患者さんの早期発見・早期治療に力を入れています。開院後4年を経過した時点で、関節リウマチの早期診断ができているのか調べてみました。下の表では当院を初診で受診した関節リウマチ患者さんの年齢分布を開院当初3ヶ月・開院4年目の一年間そして全国平均と比較しています。グラフの横軸は年齢、縦軸は%です。

当院を初診で受診した関節リウマチ患者さんの年齢分布

全国平均(緑)では、若年層に多くの分布が認められ、40歳台に発病のピークがあります。当院開院当初の3ヶ月間の年齢分布(青)では60歳台にピークを示していましたが、開院4年目(赤)では診断のピークが50歳台にシフトしてきており、開院当初よりは早期診断が可能になってきている傾向がうかがわれます。関節リウマチの治療では、治療開始が遅れると関節破壊が進行し、治療効果も得られにくくなりますので、発症早期からの治療が大切になってきます。当院では、発症してある程度時間が経ってしまった患者さんの初診がまだまだ多い傾向が続いています。早期発見・早期治療で患者さんの社会参加率・社会復帰率を高めることに貢献してゆきたいと思っています。50歳未満で関節リウマチを発症する患者さんにしっかりと医療提供ができるような取り組みをしてゆく必要があります。

リウマチ関節リウマチは遺伝する?2013.07.01

 遺伝

患者さんからよく「関節リウマチは遺伝するのですか?」
という質問を受けます。

【関節リウマチ発症に関する遺伝子】

 現在では関節リウマチの基礎研究が進み、少なくとも9個の遺伝子が、関節リウマチの発症に深くかかわっていることがわかってきました。これらの遺伝子は、いずれもリンパ球(免疫を担当する血液細胞)の機能に関わる遺伝子です。関節リウマチの患者さんでは、これらの遺伝子によってリンパ球の異常な活性化状態が引き起こされているようです。
しかし、このことは関節リウマチが遺伝病であることを意味しているものではありません。

【一卵性双生児の関節リウマチ発症確率】

 一卵性双生児は遺伝子が100%一致していますので、関節リウマチが遺伝性の病気であれば、一卵性双生児間の関節リウマチ発症確率は100%になるはずです。しかし、一卵性双生児の関節リウマチ発症確率は20%前後と考えられています。一般の人口における関節リウマチ発症頻度が0.5%ですから、一卵性双生児での発症頻度は40倍のリスクがあることになります。関節リウマチ発症に遺伝的な背景があるのは確かのようです。

【関節リウマチの家族内発症確率】

 スウェーデンの研究グループの発表では以下の報告がなされています。
 1) 親が関節リウマチの場合の子供の関節リウマチ発症リスク:3.02倍
 2) 兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:4.64倍
 3) 親と兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:9.31倍

 関節リウマチ発症のしやすさに遺伝的な要因があるのは確かのようですが、発症に関する要因の大部分は、感染症や喫煙などの環境要因なのです。

リウマチの原因について詳細はこちら

リウマチ関節リウマチと喫煙について2013.01.01

 関節リウマチと煙草には密接な関係があります。
健康を保ちたいのであれば、「煙草は百害あって一利なし」です。
また副流煙でも周囲の方々に迷惑をかけて、健康被害をもたらします。倫理的な観点からも
喫煙は「絶対に」慎まなければなりません。

思い立ったらすぐ禁煙

【喫煙について】
 煙草による健康被害は、すでに有名な事実です。
肺がんなどの悪性腫瘍、心筋梗塞・脳梗塞などの
血管障害などどれも生命にかかわる重篤な病気の
リスクを高めます。関節リウマチも様々な点におい
て、煙草による被害を受けやすい病気なのです。

【喫煙により14倍の発症リスク!】
 最近の疫学調査では、喫煙により関節リウマチの
発症リスクが2倍から14倍高まることが明らかにな
ってきています。喫煙の本数と喫煙年数の両方が
発症に密接にかかわっていることがわかってきました。
つまり、煙草ははじめから吸わない方が良いし、吸い続ければ続けるほどリスクが高まるのです。
「思い立ったらすぐ禁煙」して下さい。

【喫煙により治療効果は60%減弱!】
 喫煙は関節リウマチの治療効果にも影響を及ぼします。治療の方法にもよりますが、喫煙による
治療効果は20%から60%減弱することがわかっています。関節リウマチの特効薬と考えられている
生物学的製剤ですら約30%も効果が減弱してしまいます。高価な治療薬なので、この効果減弱は
「痛い」マイナス効果です。しかし、これは禁煙することによって回復することもわかっています
ので、やっぱり「思い立ったらすぐ禁煙」なのです。

【喫煙による寿命への影響】
 もともと煙草は癌や心筋梗塞など致死的な病気のリスク因子になっています。
関節リウマチ治療における最大の生命リスクは肺炎などの重症感染症です。煙草は慢性気管支炎や
気管支拡張症、肺気腫など重症肺炎を誘発しやすい肺疾患を発生させます。感染症を絶対に避けた
い関節リウマチ治療を進める上で、煙草は患者さんに致命傷を与える悪魔的存在であり、極めて
邪魔なものなのです。

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