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リウマチ関節リウマチは遺伝する?2013.07.01
患者さんからよく「関節リウマチは遺伝するのですか?」
という質問を受けます。
【関節リウマチ発症に関する遺伝子】
現在では関節リウマチの基礎研究が進み、少なくとも9個の遺伝子が、関節リウマチの発症に深くかかわっていることがわかってきました。これらの遺伝子は、いずれもリンパ球(免疫を担当する血液細胞)の機能に関わる遺伝子です。関節リウマチの患者さんでは、これらの遺伝子によってリンパ球の異常な活性化状態が引き起こされているようです。
しかし、このことは関節リウマチが遺伝病であることを意味しているものではありません。
【一卵性双生児の関節リウマチ発症確率】
一卵性双生児は遺伝子が100%一致していますので、関節リウマチが遺伝性の病気であれば、一卵性双生児間の関節リウマチ発症確率は100%になるはずです。しかし、一卵性双生児の関節リウマチ発症確率は20%前後と考えられています。一般の人口における関節リウマチ発症頻度が0.5%ですから、一卵性双生児での発症頻度は40倍のリスクがあることになります。関節リウマチ発症に遺伝的な背景があるのは確かのようです。
【関節リウマチの家族内発症確率】
スウェーデンの研究グループの発表では以下の報告がなされています。
1) 親が関節リウマチの場合の子供の関節リウマチ発症リスク:3.02倍
2) 兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:4.64倍
3) 親と兄弟姉妹が関節リウマチの場合の関節リウマチ発症リスク:9.31倍
関節リウマチ発症のしやすさに遺伝的な要因があるのは確かのようですが、発症に関する要因の大部分は、感染症や喫煙などの環境要因なのです。
Yasuhiko MUNAKATA M.D., Ph.D.
医療法人総志会理事長
宗像靖彦クリニック院長
昭和63年 東北大学医学部卒業
平成02年 東北大学医学部大学院に進学(リウマチ膠原病の研究を行う)
平成08年~ 米国ハーバードメディカルスクール・ダナファーバー癌研究所に留学
平成10年~ 東北大学病院 血液免疫科にて臨床・研究・教育に従事
平成17年~ 医療法人美瑛 理事長就任
平成25年 宗像靖彦クリニック開設
平成26年 医療法人総志会 理事長就任