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病気いろいろ「伝染性紅斑(りんごほっぺ病)」の流行について2018.10.28
今月、これまでになくヒトパルボウイルスB19感染が流行しているようです。元来、小児期にこのウイルスに罹患し「りんごほっぺ病」と診断されることが多いのですが、成人感染も発生しています。成人感染の多くは、お子さんからの感染のようです。このウイルスの成人感染の特徴は、「発熱」と「関節痛」です。お子さんのようにほっぺたが赤くなることは少なく、全身に細かな湿疹ができて、本人も湿疹に気づかないことが多いようです。患者さんの多くは、「リウマチ」や「膠原病」を心配して来院されます。血液の検査でも、血液細胞が減少したり、抗核抗体やリウマトイド因子が陽性になったり、血清補体価が低下したり、あたかもリウマチや膠原病のような所見が認められます。今月、これまでに感染が確認された患者さんは5名で、先月の1名をはるかに上回ってきています。5人の患者さんはすべて女性で、平均年齢は38歳。子育て世代の方々です。
ヒトパルボウイルスB19感染は胎児の貧血を引き起こし、流産になってしまうことが知られていますので、感染者の妊婦さんへの接触は避けなければなりません。
ヒトパルボウイルスB19感染の特徴として、「持続感染」という感染様式があります。ウイルスが身体から除去されず、残存してしまう現象です。ウイルスを駆除するためのミサイルタンパク(抗体)が誘導されない方がいるためです。この原因はわかっていません。
ヒトパルボウイルスB19持続感染の結果、「関節リウマチ」に進展してしまう方もいらっしゃいます。ウイルス感染に伴った関節痛などの症状が半年以上持続する場合は要注意です。
Yasuhiko MUNAKATA M.D., Ph.D.
医療法人総志会理事長
宗像靖彦クリニック院長
昭和63年 東北大学医学部卒業
平成02年 東北大学医学部大学院に進学(リウマチ膠原病の研究を行う)
平成08年~ 米国ハーバードメディカルスクール・ダナファーバー癌研究所に留学
平成10年~ 東北大学病院 血液免疫科にて臨床・研究・教育に従事
平成17年~ 医療法人美瑛 理事長就任
平成25年 宗像靖彦クリニック開設
平成26年 医療法人総志会 理事長就任