お知らせ

2021年 年頭所感2021.01.01

あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミックが発生し、人類にとって大きな禍の年でした。この出来事は、我々人類が決して「万物の霊長」ではなく、大きな自然の営みの中に組み込まれ、多くの生命と「共生」していることをあらためて思い起こすきっかけとなりました。

我々人類の営みは、自然環境を破壊する方向に進み、核兵器の保有など地球を破壊に導くリスクを最大化してきています。国家の対立、民族の対立、宗教の対立、個人の対立など私たちは様々な「対立」の局面にさらされています。対立することで格差が発生し、「共生」のチャンスが消滅します。大自然の営みの中で、我々人類は「共生」を当然のものとして受け入れ、あらゆる「対立」を放棄してゆかなければならないのです。

私たち医療法人総志会の進める「モークシャタウン計画」のモークシャはサンスクリット語で「解脱」を意味します。対立の概念から発生するあらゆる煩悩を鎮め、一人一人が穏やかに自然環境・社会環境のなかで共生できる街づくりが計画の骨子でもあります。

モークシャタウンは開設から二年が経過し、三年目に入りました。おかげさまをもちまして「モークシャ愛子」「宗像靖彦クリニック」ともに大過なく計画通りに運営することができており、皆様方に心より感謝申し上げます。当法人ではこれまで通り「健康寿命120歳プロジェクト」を通して健康寿命延伸による医療費抑制、医療介護負担に伴う社会資本喪失抑制に資することを目標とします。当法人では以下の三項について、取り組みの深化を計画しています。

1)地域医療・介護環境の整備
医療・介護の地域格差は「共生」を阻む「対立」要因です。仙山生活圏での医療・介護連携の更なる拡大・深化を行ってゆきます。経営連携・経営支援も念頭に置いた「企画室」を当法人内に設置します。また、インターネットを介したリモート診療会議・研究会のプラットフォームを構築します。

2)多業種連携
私たちは日頃職業を通じた「職業奉仕」を行っていますが、コロナ禍は多職種にダメージをもたらしました。自社利益のみを追求する経営スタイルが大きなリスクとなり、高い倫理観に裏付けられた職業行為こそが、社会利益に貢献する真の「職業奉仕」であることが実証されました。個々の職業人の多様な能力を「社会奉仕」に連結し、国際社会の現状を理解し人類が地球上で「共生」するための「親善」への貢献を可能とする、他業種による社会奉仕団体設立を支援します。

3)働く機会の創出
当法人及び関連団体の事業裾野を拡大し、社会貢献意欲の高い方々に年齢を問わず活躍していただけるチャンスを創ってゆきたいと思います。

総志会は「共生」する社会、「モークシャタウン」の具現を証明してゆかなければならない責務と共にあります。今後、ますます皆様方のご理解、ご指導、ご鞭撻が必要となってきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

令和3年1月1日 
医療法人 総志会
理事長 宗像靖彦